(8) ショ−ト・エッセイ
足利市の郊外にある「あしかがフラワ−パ−ク」を訪れました。たまたま
目を通した折り込みのチラシの中に、この施設のチラシを見つけ、興味を抱
いたからです。フジの花が素晴らしいというのです。
両毛線の富田駅から歩いて20分ほどの所にある、平地の施設です。いた
だいた資料には「290本もの藤の楽園」と紹介されています。園内の面積
88000平方メ−トルで、うすべに藤、むらさき藤、白藤、黄花藤が植え
られています。棚有り、トンネルあり、庭木作り有り、大藤棚あり、と変化
に富んでいます。
私の家の家紋が「丸に下がり藤」なものですから、フジの花は特に好きで、
庭にも二本植えてあります。まず、庭木作りの藤を見て回り、最後に棚づく
りの藤を見てきました。息をのむすばらしさでした。解説によると足利市指
定天然記念物の藤は、樹齢130年ということです。
歩き疲れて、よしず張りの休憩所に腰を下ろしたのですが、ほどなく、そ
のよしずに野鳥がとまり、鳴き出しました。雛鳥のようです。やがて地に下
り、鳴きながら、休憩所の中へ入ってきました。アオジの雛ではないかと思
うのですが、はっきりしません。
絶え間なく、鳴く声はどうやら親鳥を呼んでいるようです。しかし、近隣
に親鳥の声らしい声は聞こえず、「親から見捨てられ」てしまったようです。
警戒する様子もなく、私の前に来て鳴いています。まだ充分に飛ぶこともで
きない雛鳥です。おそらく生きてはゆけないだろう、と思いながら席を立ち
ました。「自然の摂理」は厳しいな、独り言をいいながら歩き始めました。
目の前ではベニバナトチノキの花が満開です。また、クレマチスの花も辺
りが明るくなるほど見事に咲いていました。予想以上の藤園のすばらしさに
驚きました。何より、歩道が舗装されていなかったことが気に入り、それが
強く印象に残りました。
(2006/05/16)
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